2月26日、書友のYさんと現代書道20人展が開催される松坂屋美術館へでかけた。

この日、コロナウィルスの影響でギャラリートークは中止とのこと。やむを得ない。

松坂屋の開店から間もない時間であったが、松坂屋館内が閑散とする中、書道展の会場には既にかなりの人が入場していた。今年が64回目という歴史のある書展、そして現代の書壇を代表する書家・篆刻家の最先端の作品90点が鑑賞できるということで、恒例行事となっている人もいるだろうし、関心の高さが伺われた。

このところ、現代アートのような書を見てきたが、オーソドックスな書も実に素晴らしい。(こういう言い方は適切でないかもしれない。)

同じ書風の人は一人もいない。同じ書家でも書体を変え、字の大きさも変えて、変化の妙を表現している。日本を代表する書家たちの更に進化しようという意欲に満ちた緊張感が個々の作品から伺われた。

高木氏の「はな・つき・こい」や土橋氏の千字文などは、作品を完成させるのにどのくらいの時間と労力を要しただろう。作品の素晴らしさもさることながら、大家となっても初学者の姿勢を忘れない謙虚さに頭の下がる思いがした。また、杭迫氏の次の説明書には共感した。「現代の書が、表現効果を追うあまり次第に読めなくなり生活空間から遠ざかってしまった感がある。」大家がそういう意識でいてくれれば書は再び日常に戻ってくることだろう。

同行のYさんとあーだ、こーだいいながら作品を見終わったとき、またたく間に2時間が過ぎていた。実に、楽しく実りのあるひと時であった。

このところこのブログは、書道展の感想ばかりとなっている。次回は、私の今の活動の中心である臨書について書くこととしたい。(2020年3月10日記)

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