「風信帖」は、全体として行が微妙に左に傾いている。一文字一文字についても、次第に右上がりがきつくなり、筆意の途切れるところでもとに戻しているように見受けられる。
また、太い文字と細い文字、大きい文字と小さい文字が共存している
文字の特徴は、一言で言えば「線筆変化の多様性」と言えるとのこと
具体的には次の各点が挙げられる。
①「つく」「ひく」「ひねる」の連続体、線質の変化が自然に必然的に書に現れる。
②八面出鋒(穂の使わない部分はない):穂をねじった際、いままで空気のあたっていた部分を使い点画をひく。
③進行方向に筆管は倒れる。(陰陽俯仰法)
④「撥ね」は、筆を返して穂先を研ぎ澄まし、意を残して筆を抜く。
⑤側筆と直筆が交互に現れるが、始筆と終筆は側筆が原則。
⑥手首は自由に動かす。円運動が基本。
⑦結構は右肩上がりが強い。
⑧虚画を意識する。
具体的に字を見ていこう。