風信
風の一画目は、右上から入筆した後、穂をひねって起筆し、その反動で直線的に筆を引き下ろす。終筆は、突き当たったところで穂を返し、穂先を集めるように押し出す。二画目のそりは、横画をついたその反動で露峰(穂先は左)から中鋒、露法(穂先は上)と筆を返しながら一つひとつを丁寧に引き、最後に、来た方向とは逆の方向に押し上げながら穂先を集め筆を抜く。内部の横画は放射形をなす。それが身体的に自然なのだろう。なんとも魅力的な「風」である。
信も、旁の横画は放射形をなっている。最終画の最後は筆を止めた後穂先を整え跳ね出す。顔法に似た筆遣いである。